胡蝶蘭は、その美しさから人気の植物です。
美しい花を長く、そして何度も楽しむためには、適切な肥料を適切な方法で与えることが重要です。
しかし、胡蝶蘭にとっての肥料は、与え方を誤ると逆効果になりかねません。
今回は、胡蝶蘭の肥料に関する基本的な知識と、肥料のやり方、管理方法などについてご紹介します。
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胡蝶蘭の肥料の基本知識
胡蝶蘭に肥料は必要か?
胡蝶蘭は土を使わず、着生植物として、木の枝や岩に根を張って成長する植物で、栄養源は空気中の微量元素や降雨、落葉などから得ています。そのため、土の植物とは栄養の取り方が少し異なります。
とはいえ、胡蝶蘭も栄養補給は必要です。
購入した胡蝶蘭には、元肥が施されている場合がほとんどですが、時期が来たら追肥をすることで、健全な成長をサポートできます。
もともと胡蝶蘭は、栄養が少ないことに適応しています。
そこへ大量の栄養が与えられると、トラブルの原因となってしまします。
そのため適切な量を適切な方法で与えることが、根や葉、そして花の発育に重要です。
胡蝶蘭の育成に必要な栄養素とは
胡蝶蘭に必要な肥料は、主に以下の3つの成分がバランスよく含まれていることが理想的です。
- 窒素(N): 植物の葉や茎の成長を促進します。
- リン酸(P): 花や根の成長を助け、花付きが良くなる効果があります。
- カリウム(K): 健康な根や茎の発育を促し、植物全体の強さをサポートします。
これら3つの成分がバランス良く含まれた肥料を使用することで、胡蝶蘭は健全に成長し、美しい花を咲かせることができます。
胡蝶蘭の肥料の種類と特徴
液体肥料
液体肥料は水で薄めて使用することが一般的で、与えやすさが特徴です。
植物が素早く吸収しやすいため、特に成長が活発な春~夏におすすめです。
- ハイポネックス原液
- 洋ランの液肥
固形肥料(緩効性肥料)
緩効性肥料は、少量で長期間にわたって栄養を供給する肥料です。
長期間にわたって穏やかに栄養を与えることができるため、特に休眠期や成長が穏やかな時期に適しています。
しかし、液体肥料とは違って、肥料を与える量の調整が難しいことや、長期間栄養が供給されることによる害もあるようです。
- プロミック錠剤
植物活力剤
植物活力剤は、植物の成長促進や健康維持をサポートするために使用されますが、肥料のように植物の栄養を補給する役割はありません。
主に鉄分やアミノ酸、ビタミンなどを含んでおり、これらが植物の免疫力を高め、根の成長を促進する役割を果たします。特に根が元気になりやすく、健康な植物を育てるために利用されます。
肥料と違って、植物に必要な窒素、リン酸、カリウムなどの栄養素は含まれていません。
そのため、肥料と一緒に使用することが推奨されることが多いです。
- メネデール
- リキダス
初心者にオススメ!胡蝶蘭の肥料
液体肥料:ハイポネックス原液
ハイポネックス原液は、液体肥料の代名詞として広く認知されています。
発売から50年以上経った現在でも、非常に高い評価を受け、液体肥料市場で50%を超えるシェアを占めています。
ハイポネックス原液:主な特徴と成分
- 三要素(チッソ、リン酸、カリウム)比率: 6:10:5
- チッソ(N)
主に葉の成長を促進し、植物全体の成長をサポート。 - リン酸(P)
花や根の発育を促進し、花つきや根の健康を改善。 - カリウム(K)
植物全体の強化を図り、病気に対する耐性を高めます。
- チッソ(N)
- 微量要素とカルシウム
- 微量要素やカルシウムを強化し、特に根の生育を促進します。
これにより、植物が健全で丈夫に育つ効果があります。 - 植物の活力を増すためにビタミンが含まれており、根の成長を支援します。
- 微量要素やカルシウムを強化し、特に根の生育を促進します。
ハイポネックス原液:胡蝶蘭への与え方
ハイポネックス社の記載は、「1000倍に希釈する」とありますが、2000~5000倍に希釈して使用することをオススメします。
ハイポネックス原液希釈方法
- 2Lペットボトルの水
- 注射器(シリンジ)や計量スプーン
- ハイポネックス原液
① ハイポネックス原液の計量
キャップや器などにハイポネックスを少量出す。
注射器(シリンジ)でハイポネックスを計量する。
② ハイポネックスを2Lペットボトルの水の中に追加する。
③ 水とハイポネックスをよく振って混ぜる。
【2Lの水に対するハイポネックスの量】
2000倍 | 約1ml |
3000倍 | 約0.67ml |
4000倍 | 約0.5ml |
5000倍 | 約0.4ml |
ハイポネックス希釈後の与え方
株もとに鉢の下から流れ出るくらい、たっぷりかける。
鉢の上に出ている根にもかける。
※鉢の下に、液肥が溜まらないように、しっかり水分をきってから元の位置に戻す。
※液肥が流れ出るため、外やお風呂場で与えることを推奨します。
ハイポネックス原液:効果と利点
- 花付きの改善
花付きが良く、花や葉の色を鮮やかに保つことができます。 - 根の健康を促進
根の生育を促進し、健全で丈夫な株に育てる効果があります。 - 高い効率性
植物に必要な栄養素を強化しており、肥料効果が実感しやすいです。
胡蝶蘭へ肥料を与えるときの注意点
胡蝶蘭は美しい花を咲かせるために、栄養が必要ですが、肥料の与え方にはいくつかの注意点があります。肥料を正しく与えなければ、逆に健康に害を及ぼしてしまうこともあります。
他の肥料と混ぜてはいけない
成分が異なるものを混ぜると、溶液が不安定になり、胡蝶蘭の根にダメージを与える恐れがあります。
また、有害物質やガスの発生の恐れがあるため、肥料は必ず個別に使用し、それぞれの肥料の説明書に従って適切に与えましょう。
胡蝶蘭に肥料を与えすぎてはいけない
肥料を与えすぎると、胡蝶蘭にとっては過剰な栄養となり、根を傷める原因となります。
特に、窒素(チッソ)の過剰摂取は、葉や茎が異常に成長し、花が咲きにくくなることがあります。
根が傷んでしまうと、水分や栄養の吸収がうまくいかなくなり、最終的には胡蝶蘭が枯れてしまうこともあります。
肥料を与える量は、必ず適切な範囲を守り、過剰にならないように注意が必要です。
肥料を与えるタイミングを守る
胡蝶蘭に肥料を与えるタイミングは非常に重要です。
肥料を与える時期やタイミングを間違えると、胡蝶蘭の成長や開花に悪影響を与える可能性があります。
また、肥料を与える時間帯にも注意が必要です。
一般的に、朝や昼間の温暖な時間帯に与えるのが理想的です。夜間や寒い時間帯に肥料を与えると、根が冷たくなり、吸収効率が悪くなることがあります。
タイミングについては、次に解説していきます。
季節別胡蝶蘭の管理方法と肥料のやり方
春(3月〜5月)
- 温度管理
春は暖かい場所に置き、15度以上の温度を保ちましょう。
直射日光は避け、カーテン越しに日の当たる場所で育てるのが理想的です。 - 水やり
冷え込む夜間の水やりは避け、10日に1回程度、150ccの水を根元に与えましょう。 - 肥料
4月頃から肥料を与え始めましょう。
生育期に入るので、株の成長を促すために1~2週間に1回、3000〜5000倍に薄めた液肥を与えるのが良いタイミングです。 - 植え替え
植え替えを考えている場合、春の生育期に入ったタイミングで行うと根が成長しやすいです。
夏:6月~8月
- 温度管理
暑さを避けるため、風通しの良い場所に置き、温度15度〜20度を保ちます。
直射日光やエアコンの風に当たらない場所を選びましょう。
西日も避け、午前中に日光を当てるのが理想的です。 - 水やり
1週間に1度、150ccの水を与えるか、根元が乾いている場合に水やりを行います。
水やりの間隔は1日以上空けるようにし、根腐れを防ぎます。 - 肥料
夏は肥料を与えず、株が弱っている場合は肥料を与えないようにします。
液肥は2週間に1度、3000〜5000倍に薄めて与えることもありますが、過剰に与えると逆効果になるので注意が必要です。 - 注意点
高温多湿な夏には、水やりすぎに注意。
鉢の中が湿っている状態で再度水を与えると、根腐れの原因になります。
秋:9月~11月
- 温度管理
温度は15度〜20度を保つようにします。
暑くなることもありますが、風通しの良い場所で直射日光を避けるようにしましょう。 - 水やり
10日に1回程度、150ccの水を与えますが、秋からは休眠期に向かうため水やりの量を調整しましょう。 - 肥料
秋は休眠期に入る前の大切な時期ですが、肥料を与えると根腐れを引き起こす可能性があるため、肥料は与えないようにします。
冬:12月〜2月
- 温度管理
15度以下に気温が下がらないよう、暖かい場所に置くようにしましょう。
寒さに弱い胡蝶蘭は、冬の間は温度管理が非常に重要です。 - 水やり
冷え込む夜には水やりを避け、20日に1回程度、150ccのぬるま湯を根元に与えるようにします。
乾燥気味で管理し、湿気が多すぎる環境を避けましょう。 - 肥料
冬は休眠期に入るため、肥料は与えないようにしましょう。
休眠期に肥料を与えると、株に負担がかかり、成長に悪影響を及ぼします。
肥料を与えないタイミング
- 花が咲いているとき
- 気温が15℃以下
- 気温が35℃以上
- 根が弱っているとき
胡蝶蘭の美しい花を長く楽しむためのコツ
適切な場所に置く
- 直射日光を避ける
胡蝶蘭は直射日光に弱く、葉焼けを起こすことがあります。
光を好みますが、直射日光を避け、明るいけれど間接的な光が当たる場所が最適です。
例えば、カーテン越しの窓辺が理想的です。 - 温度管理
胡蝶蘭は15度~25度の範囲で育ちます。
温度が低すぎると花が早く枯れてしまいますし、高すぎると花が持ちません。
夏は風通しの良い場所、冬は暖かい場所に置くようにしましょう。
- 風通しの良い場所に置く
胡蝶蘭は風通しの良い場所で育てると、健康を保ちやすく、花も長持ちします。
ただし、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所は避けましょう。
乾燥し過ぎや急激な温度変化は株に負担をかけることがあります。
適切な水やり
- 過剰な水やりを避ける
水やりは、鉢の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、鉢底から水が流れ出るまで与えた後は、受け皿に溜まった水を必ず捨ててください。
水が根に長時間溜まっていると、根腐れの原因になります。 - 湿度を保つ
胡蝶蘭は湿度を好みますが、過度に湿った状態では根腐れを起こすことがあります。
湿度が低い場所に置いている場合は、霧吹きで周囲の空気を湿らせるのも有効です。
花茎のカット
- 花が終わったら花茎をカット
胡蝶蘭の花がすべて落ちた後、花茎をそのままにしておくと、株が無駄にエネルギーを使ってしまいます。花茎を根元から3~4節目でカットすることで、株が次の成長に集中でき、来年の開花に向けた準備ができます。
定期的な肥料
- 肥料は適切な時期に与える
胡蝶蘭は肥料が不足していると、花が少なくなることがありますが、与えすぎは逆効果です。
肥料を与える時期は、春~秋(生育期)の間に1~2週間に1回程度が理想的です。
薄めの液肥を与え、肥料やけを避けましょう。
冬は肥料を与える必要はありません。
温度の変化に注意
- 急激な温度変化を避ける
胡蝶蘭は寒さに弱いため、15度以下になると花が持ちにくくなります。
また、冷たい風に直接当たると、花が早く落ちてしまうことがあります。
冷暖房が効いている場所や、直射日光を受けない場所を選びましょう。
花が長く咲き続けるために・・・
- 花が咲き終わったら手入れを
花が枯れた後は花茎を切り、株が休息できるようにします。
株がリフレッシュされると、再度花を咲かせる準備が整います。 - 風通しと湿度を保ちつつ、水分が過剰にならないように管理する
植え込み材や鉢の中の湿度を保つことも重要です。
過剰な湿度や乾燥を防ぐために、部屋の湿度を調整しましょう。
まとめ
胡蝶蘭の美しい花を長く楽しむためには、適切な温度、湿度、光、風通しの管理が基本です。
また、水やりや肥料の与え方にも注意が必要です。
花が終わった後の適切な手入れも重要で、花茎をカットすることで株の回復を促進できます。
これらを守ることで、次の開花に向けて元気な胡蝶蘭を育てることができるでしょう。
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